かなり序盤のイメージで書きました。ネタバレはないはずです。
「これで最後です。」
B.S Entertainment主催のキラの誕生日会、会場に来られなかったファン向けのネット生配信を任されていた我が社だが、大きな問題もなく無事に乗り切る事が出来て、キラの誕生日もあと数時間。
キラを家まで送るついでに、今日のイベント参加者からのプレゼントも運ぶというシンさんを手伝って、私も一緒にキラのお家にお邪魔していた。
全てのプレゼントを、部屋に運び込み、これで今日のイベントは完全に終了だ。
「お茶いれますね。実はケーキ用意してあるんです。」
そうシンさんの顔色をうかがいながら、2人に声をかける。
「いや、俺はもう帰るから。そのケーキのご相伴に預かれるほど、キラの心は広くないよ。」
どういう意味だろうかと首を傾げていると、苦笑したシンさんは、そのままキラに声をかけた。
「キラ!食べてもいいけど、食べすぎるなよ。食べる余裕を残しておくために、イベント中は食べなくて済むようにしておいたことも感謝してくれていいぞ。」
「流石シンさん!オレの事本当に良くわかってる!」
「礼はこの後の仕事で返してくれればいいからな。」
そんな軽口を叩いて笑いあう二人を眺めていたら、シンさんはこちらを向いた。
「じゃぁ、後はよろしくお願いします。くれぐれも帰る時は撮られないように気を付けてくださいね。」
私にそう釘を刺すと、シンさんは先に帰ってしまった。
お決まりのバースデーソングを歌って、誕生日のお願い事をするキラを眺めた後、ケーキを食べながらさっきの事を聞いてみる。
「そういえば、さっきのシンさんおかしくなかった?流石のキラでもホールケーキを一人で独り占めしたいなんて思わないよね?」
「思うよ。全部オレが食べたかった。」
「え、ひょっとして私も食べたら駄目だった……?」
「うん。でも、作ってくれたのはポテチ姫だし、一緒に食べたいから大丈夫。」
「キラはほんと、お菓子に関しては心が狭いね……」
そう言うと、横からおどけた声が聞こえてくる。
「そうだよ!だからキミが作ったお菓子は全部オレと一緒に食べる事にして!」
「今日の主役のお願いだし、善処します。でも、全部は無理かも……失敗する事もあるんだよ……」
「じゃぁ、失敗かどうかも俺が判定するよ!」
🧸
本当は、オレの心がどうしても狭くなるのはキミに関する事だけだけど、今はまだそういう事にしておくよ。
キラ、お誕生日おめでとう!
